Diary of Kamitsuki Rainy

雨香る金曜の午後。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。

僕は窓辺にて雨音に浸り、ぶつかったプロットの壁を呆然と見上げながら、ポテチを齧っておりました。
虚ろにカリカリやっておりましたところ、ふと、昨夜の小蜘蛛を思い出したのでございます。



昨日、アパートの外階段でいつものように紫煙をくゆらせていると、欄干に小さな蜘蛛が巣くっているのを見つけました。

小蜘蛛は僕にさんざん棒で小突かれ、糸張り巡らせたその巣を端から少しずつ焼かれ、哀れ「あ~れ~」と階下へ落ちていきました。

可哀想だが仕様なし。蜘蛛は苦手なのです。
何、命までは取るまいて。せめてどこかで達者で暮らせ。


ところが今朝、出かけにちらと見てみると、
何食わぬ顔でそこにいるではありませんか。

焼いたはずの蜘蛛の巣も元通り。豊臣秀吉もびっくりの一夜城を建設し、じっと下を向いてしたり顔。


……こいつ、俺より働いていやがる。
と蜘蛛に危機感を覚えたかどうかはさておき、

ならばこの雨の中ならどうでしょう?
さっそく傘を開き見に行くと、いました。
雨風に揺れる巣に必死にしがみつき、下を向いて耐えております。

働き者め。
こんな雨の日に虫も捕まらないだろうに。雨宿りとかすりゃあいいのに。

器用なのか不器用なのか、一生懸命な彼に、ポテチをあげる事にしました。

細かく砕いて巣に投げ掛けてやると、瞬時にテコテコ走ってポテチへ向かいます。
ところが、僕の夕飯は彼の口に合わないらしく、ニオイを嗅ぐようなそぶりをしては再び巣の中央に戻り、逆さまに下を向いてじっとします。

テコテコ走る姿はエサへの期待に溢れて忙しなく、「なんだまたポテチか」とガッカリして元の場所に帰る。その仕草が妙に可愛らしく、何度もポテチを投げ掛けました。
巣にかかったものは取りあえず嗅いでおかないと心配なご様子。秀吉は忙しなくテコテコ走り回りました。
なんだコイツちょっと可愛いじゃないかと好きになりかけた次の瞬間、やや大きめのポテトチップスが秀吉自身に直撃。

「あ」

その欠片は一夜城を突き破り、ポテチに押される形で秀吉も哀れ「あ~れ~」と階下へ落ちていきました。


一瞬にして友を失った僕は虚無感に胸を締め付けられ、アメイジンググレイスを歌ってあげました。
雨は一層激しさを増し、空が小さな友人を偲んで、泣いているかのようでした。

可哀想だが仕様なし。蜘蛛は苦手なのです。
せめてどこかで達者に暮らせ。どうせ明日もいるんだろうけど。
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