正月は死んだ。いやに寒い日のことだった。

自炊してると、たまに、感傷的になります。

飯を炊こうと、
お米を計量カップですくって炊飯器に入れる時、
そのプラスチックの計量カップ、一度水ですすいでいるため、
濡れたカップの内側に、いくつも米粒がくっつく状況になるじゃない?

やっぱさ、一粒残らず、炊飯器に入れて炊きたいじゃない?
だからさ、カップ揺すったり、指先で弾いたりして米粒落とすじゃん?
けど必ず、
どうしても落ちないのが、一粒くらいある。
落ちろっ、落ちろっ、とどんなに振っても落ちなくて、なんだコイツすげえ根性だな、と思いつつ、ふと、

ははん、この一粒が、一握りの成功者ってことね。と思い至るわけです。

計量カップは、言わば社会の縮図。
多くの米粒たちは社会の変動に抵抗できず、ざざざ、と炊飯器の中へ落とされてゆくのみ。

一部、〝持ってる奴〟たちだけが壁にしっかりと張り付いている。
しかしそんな彼らも、さらに揺さぶられ、落ちていき、そうしてほんの一粒。
一合分のたった一粒だけが、成功者として最後まで生き残ることができるのではないか。

そう考えるとこの一粒に敬意が生まれ、深くこうべを垂れる思いにございます。
僕のような、初めのざざざ、で確実に落とされているであろう愚米から見れば
この最後までしがみついた成功米は、なんと、なんと、輝いて見えることか。

ただまあ、結局、つまんで炊飯器に入れるんだけどね。
世知辛いね。


さて、とうとう正月も終わってしまいましたが、

今年は初詣に行っていません。
帰省もせず、おせちも食べず、餅を呑むこともなかった。

ずっとコタツで仕事してました。
テレビ付けるとサボっちゃうから、ずっと消したまま。気が付けば正月終わっていました。
満ち足りた静寂こそ我が正月よ。
おい、正月、そこにいるか?
ん。正月、正月……? はっ。
正月っ、おまえまさか……死んでるっ……!?


おいそりゃ感傷的にもなるわ。
鬱々とするわ。なんか今年一段と寒くね? ってなるわ。
もういいや、今日は原稿いいや。そろそろ米炊きあがりそうだし、艦これのアニメみょ。
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